RWC2023FRANCE

パラリンピック車いすラグビーに魅了される

スポーツ観戦全般好きなjunkoです。

コロナの影響で1年延期となった東京オリンピック、パラリンピックが絶賛開催中の2021年夏。今回、一番ハマったのが、パラリンピックの車いすラグビーでした。
今までその存在すら知らず、初めて観戦したのですが、スポーツとして超面白い!選手の皆さん、それぞれ抱えているハンディは異なりますが、その特性を活かすことの出来る、大変おもしろい競技だと思いました。
健常者のラグビーとルールはだいぶ異なるのですが、One for all, All for one. 支え合う精神というところではといっしょですね。

車いすラグビーのルール。驚きポイント3つ

  1. 車いす同士でぶつかり合ってOK
  2. 激しいぶつかり合いのなかに女性選手がいる
  3. 足や脚(下肢)だけが悪いのではなく、腕や手(上肢)にも障害がある

試合を見ていると、健常者のラグビーとはだいぶルールが違う事に気が付きます。
ラグビーボールといえば楕円球ですが、車いすラグビーのボールは球状。どうやらバレーボールを使用しているようです。競技フィールドは、体育館の中のバスケットボールコートと同じサイズ。攻撃に時間制限があるところもバスケットと似ています。
1トライは1点。ボールを前にパスしてOK。などなど、より、多様な障害を持つ選手が活躍し、面白くなるための工夫がされているんだな、と思うところがたくさんあります。

そんなわけで、どうしてこのような色んな種目がミックスされているような競技が「ラグビー(という名前)」なんだろう?と感じたのですが、どうやら、上記①の車いす同士で激しくぶつかりあうこと(=タックル)が許されている唯一のパラリンピック競技なのだそうです。これこそ、ラグビーたる所以みたいです。

激しいぶつかり合いの中に、女性が居るというのもすごい。
通常、4人一組のチームで障害の度合いに応じた各選手のポイントの合計が8.0となるようにチームが組まれるのですが、女性が入ることで、8.5までOKとなり、チームの戦力がUPが狙えます。

また、最初観ているときは気が付かなかったのですが、どの選手も、下肢だけでなく、上肢にも機能障害があるというのがこの競技の大きな特徴のようです。上肢にも障害があるのにどうしてあんなにも自由自在に、華麗に車いすをコントロールすることができるのか?
想像もできない努力を、選手たちはしているのだろうなと感動します。

金メダルしか狙ってない、日本チームの選手

魅力的な日本のチームです。実況から拾った選手の情報なので、拾えたところだけになります。随時更新します。

3.0しまかわ選手 46歳 パラリンピック5大会連続出場中。

1.0今井選手 プールの事故で頚椎損傷、金髪の若い選手。

0.5長谷川選手 オーストラリア戦で、相手の大きくて重い選手をタックルして止める。

2.0はが選手 バイスキャプテン。手がとても長く、相手が思っても見ないところに手が出てくるのでパスをカットするという技を見せる。高校野球児だったが、卒業後時代に事故にあって車いすになった。

1.5乗松選手 2016リオ大会は銅メダルを取ったが、オーストラリアに負けた悔しさが今でも残っている。生まれつき四肢の筋肉が弱っていくという障害で、同じ病気の兄がいる。兄も車いすラグビー選手。次回パリ大会では兄弟での出場を目指している

3.0池崎選手 両方の指先の機能が失われている。乗松選手とおなじ病気だが、上腕と大胸筋の筋力がすごく、車いすを高速で漕ぐ。トライを量産。

3.0池選手 日本のキャプテン。19歳の時に乗っていた車の交通事故で全身に大やけどをおう。同乗者5名のうち3名が亡くなった。友人の死をバネに痛みに耐え、友人の分まで生き抜こうと決める。右膝が曲がらないため座面が高くなっている分、高さのある選手として活躍。以前はその高さが原因で不安定だったが、体幹をきたえることで転倒しなくなった。

0.5倉橋選手 紅一点の女性選手。大学時代にトランポリンで落下し、頚椎を損傷、車いすに。とても明るく、いつも笑顔の選手。美人で華やかで強い。

リーグ戦全勝・オーストラリア戦修了後のインタビュー

島川選手:目標にしていた1位通過を無事にできて安心している。 4人しか居ないけれど5人も6人もいるようなディフェンスになった。ここからがスタートだと思ってしっかり勝ちきっていきたい。

池選手:コートの中と外での意思の疎通がしっかりできていたので、コートの中でリラックスすることができた。あと2日間最高に楽しめるようにしていきます。

フランスチームも強かった!

日本代表の試合はもちろん大注目で、全試合全力をかけて応援しているのですが、たまたま見ていたフランス対デンマークの試合が最後までどちらが勝つかわからない、ハラハラドキドキのシーソーゲームで素晴らしい試合でした。
フランスは日本が初戦で戦った相手でもあり、その試合も最後に日本が逆転して勝利するという、苦しい戦いになった強いチームです。

フランス代表の Cedric NANKIN(セドリック ナンカン) という選手は両方の前腕が欠損している(肘先に数本の指がある)のですが、パスワークもうまく、攻守に渡り大活躍しておりました。見ていて本当に感動します。
そして、Jonathan HIVERNAT(ジョナトン イベルナ) という選手は、右に左に、くねくねと車いすを走らせるのですが、そのスピードがおどろく速さという選手です。ラグビー日本代表で言えば、福岡堅樹か松島幸太朗かというような、トライゲッターの選手です。その速さとトライ力だけでなく、たまに見せる不敵な笑顔が魅力的です。この人は絶対あたまがいいな、というプレイをたくさん見せてくれました。

日本はAリーグ中、全勝で予選突破。
フランスはデンマークには勝ったものの、日本とオーストラリアにはどちらにも2点差で負けており、惜しくも予選敗退となってしまいました。

日本代表の金メダルに期待するとともに、フランスが残りどんな試合をするのかも楽しみです。